言えると癒える

 

こんにちは
トリニティサロンのサンです。

ある患者会に参加させていただいた時に感じたこと。
ピアとして何ができるんだろうと模索中の私は、参加できる患者会に顔を出しています。
色んな目線・捉え方・何が困っていて・何が必要なのか???

乳がんという目線で、年齢別にそれぞれの見方・捉え方も違って来るだろうし、治療もさまざまです。
ほぼほぼ閉経前後の年齢層と、AYA世代だと悩みは全く違ってきます。
女性性と言う事に関連し、内容は複雑です。
だけれども、がんと告知されて感じる悲しみは皆同じように襲ってきます。
昨日と今日の景色が一変に変わるほどの大きなもの。

ある患者会で、今にも泣きそうな表情で聞いていた女性がいました。

患者会には、それぞれの治療内容の話をしたり、治療の副作用に困っていることや、食事や生活内容を共有したりと色んな内容が飛び交います。
その中には罹患歴はバラバラです。
罹患して長い人、1年を迎えた人、一年未満の人、告知間もない人・・・

それぞれの罹患歴の長さでは心境が違ってきます。

告知間もない人にとっては、患者会に参加して話を聴いていても、ちんぷんかんぷんだろうなって・・・。

まだまだ心の整理もできていない
私のカラダはどうなるんだろう?
治療はフルコースになるのだろうか?
子どもの世話はどうしたらいい?
親には伝えるのか?
お金は?
もう、色々と巡る頭の中で、人の話を聴くのも入ってこないだろうし、薬の話をしててもわからないし・・・

ただただ
私はどうなるの?
って感じなんだろうか。

罹患し患者会にも何度も参加していると、仲間もできて色々と相談もできるようになってくる人もいれば、参加をしなくなる人もいます。

私が気になった彼女はどうなんだろうか?
患者なりたてホヤホヤの感情が、この患者会で吐ければいいのだけれども、そうとはならず、圧倒されるだけで何も発せずに、悲痛な表情のままその時間を共有していたことに、私は気になったので最後に声をかけてみました。

健康診断で発覚した乳がん。
検査をした結果で治療方針を決めて行く段階で
何を話せばいいのかもわからない
けれど病院から勧められて来たと言う。(病院側も勧める前に、向き合えることがありそうなんだけどな)

がんと診断されて、何個かの検査が進んでいく
MRIやCT、骨シンチなど、がん細胞がどこにあって、どこまで広がっているのか?
カラダの中をくまなく調べていく作業があるなかで、一気にその検査をスムーズに受けることが難しい。
そうなると、時間が経つにつれてそのがん細胞がどうにかなるのではないかと心配になる場合もある。

進行性でなければ急ぐこともないだけに、患者としては居ても立っても居られない心境になりますよね。

病院の状況にもよって、手術日を立てれない場合も起こるかもしれませんし、本当にモヤモヤする期間、患者は不安が溜まってきます。

その状況で、治療に対し『自己決定』をしていく作業なんてね、本当に悩みます。

なので、患者として、自己決定をしていくまでに心の内を吐き出して、新たな情報を入れれる隙間を作る。

患者として、がんからと医師からと自立しなくていけないのだと思います。

とても難しい、こころを痛めている時期にそんなことが出来るのか?と言う事ですが、結果、それが出来れば苦しみが少なくて済むのも確かにあるのです。

治療方針が決まり、それを進めるに至って、自分のこれからのことを医師に伝えることは、本当に要になってくるんだと思います。

生活の質
今後のカラダのこと
治療期間や副作用のこと
お金
など、自分の中で大切にしていること、譲れない事、守りたいもの
色んなことが言えれたら、主治医もそれを踏まえた治療方針を考えてくれる。
ただただ、
カラダの情報だけを知っても、治療がうまくいくかはわからない
けれど、
その人のカラダの情報、その人の生活の質や大切な事・ものを知っていれば、それに合わせた治療を提示してくれる医師もいます。

二人三脚で向き合う医療

カラダを治してくれるのは医師でも、がんの本質を治すのは自分だと思います。
いつか、人間の逝きつくところは同じであっても、経路は同じではありません。
どんな経路で進んでいくのかは自分次第なんだと思います。


知り合って2ヵ月あまり、今にも泣きそうな悲痛だった彼女も、LINEのやり取りを幾度として向かった手術日、術後、対面した時の印象の違いに驚きました。
しっかり前を向いていた姿に
『あっ!大丈夫!』って、うれしく思いました。
会いに行って良かったです。
それからのやり取りにも、しっかり治す!と言い切る姿に、本当に以前と違う彼女がいたのでその文章に笑みがこぼれました。

言えるという行動は、自分を癒す働きをしてくれます。
カタルシス効果という用語があるのですが、
自信の心から話すと言う行為が、『心を離す・放す』ことでこころの浄化が働くとされているからです。

言う事の大切さは、自身を立たせることにもつながります。
大切な自己決定をするために、こころの内を吐き出して、情報を取り入れる隙間を作っていくのはおすすめです。