患者として切開・摘出・縫合…ただ知りたいだけ

 

こんにちは
トリニティサロンの三田です。

両側の胸の摘出手術をしてマルっと1年が過ぎて、再建なしで腕のむくみもなく過ごしています。

腕も背中で合掌ができるし、背中で握手もできます。

なので手術は大成功です!

なんだけどね・・・・

患者のこころの内はね、手術の傷跡がやはり気になるのだよ!

手術をする前に、どのような傷になるのかは説明を受けて理解しています。

フィットネスに通ってた時に、知り合いの方が乳がんに罹患して、片胸を全摘した姿でお風呂場で合った時に見せてくれたことがあったので、想像はしていました。

乳がんの術式は、常に進化しているので、数年前でもひと昔となる位の速さで変わっている。

今のような手術よりも前に罹患していたようだったので、大胸筋までがっつり切られていたようだった。

私の術前に、両方無くなる姿を想像するも、男性のような胸板になるんだなってしか想像してなかったんだけど、
やはり、想像とはかけ離れた姿に、少々落ち込んだのは嘘じゃない。
もしかすると、私の奥深くにいる自分はショックを受けていたと思う。

術前に、主治医に伝えたことは、
『お風呂が好きなので、公共の場でも堂々としていられるようにしてほしい!』とだけ伝えると
『できるだけ綺麗に縫いますね』と答えてくれた。

正直、

美容院に行けば、担当者などが仕上げたスタイリングマップをみせてくれたりするのがある。
あのように、
執刀医が仕上げた傷跡マップなどあれば、患者は安心すると思う・・・
『私の縫合具合はこんな感じに仕上がります』・・・みたいな。
そんなの美容外科じゃないから作らないよね・・・
でも、そんな傷跡マップがあればいいのになって本気で思った。

『どんな仕上がりになるのか?』

命に関わるがん治療なんだけどさ、治療はその時の苦痛で終わるけれど、傷跡はこれから先、一生残る。
その傷跡と共に生きていくのだけど、やはり、生活の質を上げるのであれば、傷跡まで考えてもらえるとありがたいと思うのです。
患者の気持ちとしてはね・・・

執刀医が全てやってくれるのか?
それとも
教育病院として受け入れているところだと、経験を積ますのに執刀医だけでない医師がする場合もあるだろうし・・・
その提示って、医師からは伝えられないんだろうな。
実際に私の場合はなかったので、執刀医が全てやっているのだと思っている。

自分の仕事も技術職だから、技術を覚えてもらうには、経験させないといけない。
それは本当にわかる!
やらないと始まらないもんね。
美容師時代も、メイクアーティスト時代も、現場の仕事で経験積んで、仕上がりにヘマをすると、手直しが入る。
その手直しをされることが、一番凹んだ下積み時代。
だけど、手直しをすることで全く違う、美しい仕上がりになるのを見ると、手直ししてもらってありがたく思っていたし、モデルさんも手直しのお陰で助かったと思う。
それぐらいに、見える『美』には手を抜かない。

手術の傷跡に美しさを求めるのは無理なんだろうか?

現代の医療は、チーム医療として患者の生活の質を高めるとして位置づけされている。
乳がんであれば、乳腺科・放射線治療科・放射線診断科・病理診断・腫瘍内科・薬剤師・看護師・・・
そこに、再建などの場合、形成外科も含めてのチームとしての連携をされているんだけれど、

再建なしの患者には、形成外科は入らない。(質問したことないけど…)

後の祭りなんだけどさ、
再建なしの場合も、縫合は形成外科の腕を借りたいと思う。(人件費かかると思うけど・・・)

再建するつもりで摘出するならば、どの医師が縫合しようと経験値を上げるのに積んでいただきたい。
その後、再建して形成外科がきれいな胸を作ってくれるからね。傷跡も小さくして目立たないようにしてくれるだろうと思います。
しかし、
再建しないカラダは全摘したらそれまでで、鏡にがっつり見える場所にある傷跡には、やはり、美意識はあってほしいと思うのです。
患者は毎日、見てしまう場所。
『命』が先なんだけれど、
QOLを高めるためのチーム医療として立ち上がったものだとしたら、そこは外したらダメななんじゃないか?
・・・と思う。

その美意識を大事にしている病院が増えてるみたいだけど、後の祭りとなった私は、もう、受け止めるしかない・・・

それでも深いところでは傷ついているようで、ふとした時に涙を流してしまう。
全摘をしたことの後悔や病になったことへの悲しみではないのだけれど、ふとしたことで起こる涙が、傷後なのかと思っている。

乳がんの治療は常に日進月歩で発展し、今では切らない治療が始まっている。
『ラジオ波熱焼灼治療法』など、条件はあるものの早期で見つかれば切らずに済むことになる。

乳がんで出来てしまったがん細胞を、自分のカラダから排除し、新たにがん細胞を増殖しないカラダを作ってしまえば、そう怖くない病として捉えられるのではないかな?

乳がんに『美』を求めるなら、ラジオ波熱焼灼治療法などの技術がメジャーとなることが今の願いとなるのかもしれない。

となれば、乳がんは早く見つかったことが救いになるってことなんよね。

まだまだ切開・摘出・縫合が主流の治療法。(腫瘍の大きさにもよる)

せめて、

目に映る場所に傷跡つくものは、縫合に美しさを求めてほしいと患者は思います。

乳腺科のその部位を専門として技術・研究をされているならば、仕上がりも含めて根本治療なんだと思います。

医療の進化でメスを扱うことも少なくなりそうな現場で、腕を磨くのは至難の業なんだろうね。

クリニックで治療する病院を探すとき、実績数と立地で選んだ病院だけれど、実績と仕上がりの綺麗さは比例してないんだなって思いました。

まっ、どこまでの『美』を追求するかは人それぞれであって、現場は『命』が先。

『命』あっての今だもんね。

だけど、後々浮上するメンタルの部分で、モヤっと感を残さないよう説明は欲しいと思いました。

色んなモヤモヤ感はあったものの、
私もついに、ママ友と娘のお陰で、公共のお風呂に入れるようになりました。
胸がなくても、隠さなくても、人は見ていない。
見たとしても、周りはそっとしてくれています。
胸だけが問題ではないのですよね。

切らない治療法が増えていくことで、傷跡で悲しむ患者が減ることを祈ります。

再建のすばらしさを知りつつも、
再建しない生き方を理解してもらえたらうれしいですね。