手術によって術後の予後が違った経験

 

GWはいかがお過ごしでしょうか?
まだ少し肌寒い5月の始め…

こんにちは
トリニティサロンのサンです。

乳がんが発覚してこの5月で2年が経ちます。
ちょうどGW中は検査の結果待ちでした。
なんだか浮かない休日を過ごした記憶が残っています。

乳がんを発症し、両側に出来たそれぞれの原発巣が遺伝子によるものだとわかり、遺伝子乳がん卵巣がん症候群という事が新たに分かった私のカラダ。

その遺伝子乳がん卵巣がん症候群(HBOC)だとわかると、乳がん・卵巣がん以外に他の臓器に発症するリスクの高いがんがあります。
乳がん・卵巣がん・前立腺がん(男性のみ)・膵臓癌・皮膚がんあたり・・・

私は乳がんを先に発症したので、次に罹患率の高い卵巣がんにならないための予防的切除(リスク低減卵管卵巣摘出術=RRSO)を受けました。

なんですが、
総合病院だから同じ病院で処置が出来ると思っていたら、私が通う総合病院は出来ませんでしたので、紹介をされた病院へ行き、摘出術を受けなければなりませんでした。

総合病院で婦人科はあるのに・・・なぜできないの?

患者初心者として素直な疑問。
今は医師不足に看護師不足と騒がれている中で、治療を受けるがん患者。
そんな渦中にいる自分もまた、それに引っかかっており病院を転々回っています。

私自身、病的な遺伝子を持つカラダだなんて思ってもないことだったので、乳がんの目線だけで選んだ病院。

それが病的遺伝子を持つ、HBOCと言う事で病院選びは考えものだと思いました。
遺伝子がんの人たちは、ここで翻弄されるのです。

例えば、私のようなHBOCの場合(日本婦人科腫瘍学会抜粋)
リスク低減卵管卵巣摘出術=RRSOを行う場合は,産婦人科及び婦人科腫瘍の専門的な研修の経験を合わせて6年以上有する常勤医師が1名以上配置されている(婦人科腫瘍専門医はこれに相当する).なお,当該医師は医療関係団体が主催するHBOCに関する研修を修了していること*3.(リスク低減乳房切除術=RRMの場合は乳腺外科の専門的な研修の経験を5年以上有する常勤医師)
などの医師が常勤している病院でないとできないのです。
それが私が通う病院で常勤医がいないから、処置ができないとなったのです。

患者にはそんな情報なんかわからない!

HBOCの場合、乳がんにしろ卵巣がんにしろ、摘出できる勤務医がいないことで病院を紹介されるまたは、自分で探さないといけないのが現状です。
自分で探さないといけない事情は医局問題です。
患者からすれば、そんなこと知らんやん!ってことなのですが・・・。

病院がかかげるがん治療に『チーム医療』ってのがありますが・・・
院内だけのチームなのかなぁ?

私が通う病院は紹介状を出してくれる病院なので救われることろでしたが、地方になると、常勤の医師がいない場合医局つながりもなかった場合は自分で探すしかないのです。
当事者としては本当に困った話なのです。

なので、当事者会並びの患者会などと言われる団体やグループで情報を取りに行かれることをお勧めします!

話は戻り・・・
私は乳腺科と婦人科と病院が違います。
初発乳がんでしたので、乳腺科で先に両側乳房全摘出をしました。
5月に宣告されて8月の手術までの3ヵ月、造影剤を用いたCT・MRI検査、骨シンチグラフィー、受診時の採血、家族交えての術前説明に入院内容の説明と準備が着々と進む・・・。

コロナの影響で手術2日前に入院。
とても暇な2日間を過ごし、手術当日9時からの手術に向け、エコー検査で最終腫瘍場所の確認をして、胸に油性ペンで印をつけられる・・・。
朝の早い時間から、私の手術に向けてたくさんの人が動いてくれています。
そして、不安がらないよう手術室に入ると優しい声掛けをしてくれます。
手術台にのり、心電図や血圧計のモニターの準備や血栓予防に着圧ソックスを履かせてくれたり、本当にされるがままのまな板の鯉状態。
そして最後、静脈麻酔によって点滴から麻酔薬が入り眠りにつく、目覚めた時には手術が終わっていました。

術後は寝ることで細胞が治癒に向けて働いてくれることを想像し、休むことに専念しました。
手術の痛みは全く起きず、麻酔薬が合っているのか何の問題もなく休むことが出来ました。
ただ辛かったのは、両側だったので身動きをしていいのか分からずに、石のように固まってたことで、腰が砕けそうな苦痛に耐えていました。
(願うはベッドがマッサージ機のようにローラーが付いたベッドであれば・・・と夢の中)

明け方、カラダを起こすことが許され、尿管カテーテルを抜き、カラダを拭いて入院着に着替えました。
胸には胴体を包むバンドで締め付けています。
それ以外は解放されて楽になりました。
とても快適でした。

だけれども
紹介された病院の婦人科の手術後は、とても予後が悪かったのです。
何が違ったのだろう?

婦人科の手術は腹腔鏡手術を受けました。
婦人科なので、小股が広がる手術台に乗り、頭が下に下がった状態でカラダを固定されました。
そして同じように心電図・血圧計のモニターを設置する作業と同時にすぐに、吸入麻酔でマスクを覆われました。
目覚めた時には回復室なような場所に移動されてました。
意識が戻った時は寒さを感じ、震えてました。
病室に戻っても寒い・・・
吐きそうで気分も悪く、なんだか頭痛もするし目が回る・・・・
すると寝汗のような汗をかきだしてまたカラダが冷える・・・。

気分の悪い中、卵管卵巣を取った直後から更年期のような症状がでるのだろうか?
この状態がずっと続くのか?
と思うほど本当に気分が悪かったのです。
船酔いのような気分の悪さを明け方まで堪えて、寝汗でびっしょりになった手術着から着替えと、尿管カテーテルを外してカラダの解放にはなったのですが、体調が本当に悪く、気持ちの悪さがずっと続いてました。
食事も吐いてカラダが受けつけなく、2日ほど食を通さずに過ごしました。

何がどうなっているのか?
術後、執刀医がおらず当直の医師に診てもらっても理由もわからなければ改善もせず、腹腔鏡だったからか腸閉塞を疑われてレントゲンを撮られました。
それでもわからないと言われ、そのまま時間だけが過ぎました。
翌朝に、再度本格的なレントゲンを撮っても異常は見つからず、気分の悪さをレントゲン対応になったのがなんでだろうかと・・・。
そして結局、絶食したことで治まったのでした。

あの気分の悪さはどこから来たのか?
お腹をいじると、このような状況になるのだろうかと、臓器によって快適と不快を経験したのでした。

乳腺科では快適な手術だったのに、婦人科は不快な術後。
何が違ったのか調べてみたら、腹腔鏡手術後の吐き気は麻酔の影響や腹部の刺激、消化器官の動きの低下などに起こるそうで、麻酔の副作用は特に吸入麻酔薬などが吐き気などの誘発が起こるとありました。

腹腔鏡手術の傷跡の少なさ(おへそ・下腹部に3か所)と回復が早いとされる術式ですが、私には術後の悪さに苦絞められた印象が残っています。

もし今後手術が必要な時は、麻酔科医に静脈麻酔でお願いすることを忘れずにしようと思います。

船酔いするタイプは吸入より静脈麻酔がおすすめかも!
麻酔科医にはよくよく自分の体質も伝えることをお勧めします。
薬のアレルギーって聞かれても、普段薬を使用してなかったら分からないものです。
自分のカラダのこと、どんな時にどんな症状が出るのかとか、手術に関係がなかろうとも伝えることはカラダの為には必要なのかもしれません。

チーム医療・・・
紹介するなら薬の共有もできるならしてほしかったなぁって思うのでした。