医療現場の理想と現実

 

こんにちは
トリニティサロンの三田です。

先日、医療セミナーに参加してきました。
秋は何かと医療活動の中で講演会やセミナーなどが盛んにあるようで、色んなところで開催されています。

今回私が参加したセミナーでは、フリーアナウンサーの笠井信輔氏が司会進行をされていました。
アナウンサーの話す間の取り方、進め方、まとめ方は素晴らしく、安心して聞いてられますね。
笠井アナウンサーもがんサバイバーの当事者です。
ご自身の経験も踏まえ、的確な質問もされながらまとまったセミナーに参加出来てよかったです。

セミナーのテーマは
『シェアードディシジョン・メイキング』

2部形式で分かれて、医療従事者の『患者の声を訊く』内容と、一般・患者向けの『医療者の声を訊く』。
それぞれの目線を知り、シェアードディシジョン・メイキング(共有意思決定)で互いが共に治療方針を考えるプロセスの大切さを学ぶ内容でした。

今までにセミナーや講演会などに足を運び、私なりに医療者と患者との関りの学びをしているのですが、
なかなか・・・理想と現実のギャップがあるように感じます。

私は正直、母の関わった病院、父の関わった病院や福祉などを経て、感じた違和感。
患者家族として関わってきた中で、いい思いが残っていません。
なので、私の人生に、医療が関わらないように送ってきたけれど、そうとは行かず・・・
私もがん患者として、医療と向き合わなければならない状況に、
私の中ですり合わせをする学びとなっています。

セミナーである先生が、『医師と患者の見ている世界が違う』と言う言葉に深く共鳴して・・・
見ている世界の違いを、山登りを例えて話をされてました。

患者は暗い険しい山道を歩いているけれど、医師は上からそれを見ている・・・と。

医師は、患者のデーターや経験・知識でどの道を通り、どう進んでいけばよいのか想像がつくらしい。
景色を知っているのと知らないとの差は大きいと言うのでしょうね。

今まではパターナリズムモデルで、患者の意思より医師の治療方針に同意する形で進められて来たことで、患者側の不満や治療後の経過などに、うまく進まないとかいろいろと問題視されていたようですが、実際そうですよね。

そこでインフォームドディシジョンモデルというのを取り入れ、患者とその家族も含め、医師からの情報や検証などを示されつつ、患者やその家族は主体的に医療に関わることが出来るようになったのが今の形なのでしょう。

だけど、それでも問題となるものはあるようで、話がまとまらなくなったり、家族喧嘩が起こったり・・・。
患者側も、一方的な医療情報だけでは理解も難しいことも出てくるのでしょうね。

医療側の理想としては、医師からの情報や検証などの医療に対する情報源と、そこに、患者側の情報をもっとたくさん出すことで、よりよい方向性が見えて治療を一緒に進めていける。寄り添う形に持って行くことが大事だと・・・。

本当にそう思う。

だとしたら、患者はもっともっと自分のカラダの情報だけでなく、環境や価値観を医師に伝える努力はいるのではないかと思う。
仕事上、カラダは動けるのか?
治療の副作用で髪が抜けてもいいのか?
手のしびれが出てもいいのか?
吐き気などあると困るのか?

患者は自分に対してやらねばならぬことがありますよね。
・今のカラダの状態・感情の把握
・問題ごと(抱えてる困難)
・治療に配慮してほしいこと
・自分の想い(やりたい事)
上記と重なることだけれども、医師はこの患者の情報源があることでもっと、患者に対し、提供する内容が細かく知らされることになるんだと思います。
薬の内容で希望を伝えてもよいのだと思うし、
治療内容で起こる副作用に対し、症状を和らげる緩和ケアなどを取り入れる方向性やケアの目標など、患者自身そのものの情報で、ケアサポートの内容が変わってくるのではないでしょうか。

それがうまく出来ている関係性なら、よりよい治療になるのでしょう。

私も乳腺科の主治医に伝えたことは
・20年生きること
・腕を使う仕事なので支障が出るのは困る事
・最低の保険でやりくりしているのでお金の問題の事
その都度出てくる疑問点には質問しています。

診察時間もあることだし、先生が答えれない時には看護師が後で答えてくれたり、色んな工夫を感じます。

私が乳がん発覚のはじめの頃、治療する病院の初診日に、診察室に入るなり言われたのは
『インターネットで調べるとわかると思いますが…』が第一声だった。

その時の私のこころの中は、『今の病院ってのは、事前調べをしてから来るもんなんだ…』と思いました。
そう、
話の持って行き方?言葉の選び方?、が良かったか悪かったか?は分かりませんが、
シェアードデシジョン・メイキングの形で進めてたのでしょうね。

今では2人に1人が癌患者になろうとしています。
患者側も医療に対し心機一転して、自分のカラダを治癒させたいのか・共存していくのか?
がんに対しての治療を、医療チーム達と一緒に進めていけるといいですよね。

医師たちも分かり合おうと一生懸命に、時間を割いて講演してくれる人達もいます。

反対に、シャッターガラガラ閉店!させていただいた医師もいます。
甲状腺の専門病院で久々に診てもらおうと、受診に行った初めてお目にかかる専門医にいろいろ質問してみたら・・・
『何が聞きたいの? 薬を飲むか飲まないかはあなたが好きにしたらいい。』
というお返事。
甲状腺の事を詳しく知りたいから、わからないなりに質問したらこう返事が返ってきた。

色んな先生がいます。

難しいですけど、向き合う姿勢を示してくれたなら、こちらも示す姿勢は必要ですよね。

なんかね、このことを考えていたら、
思春期の子育てと似ているような感じがするのは私だけでしょうか???