遺伝性乳がん卵巣がんというDNAを想う

 

こんにちは
トリニティサロンのサンです。

今日は再掲載です

私は遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)の当事者です。
病状は
2023.8月に両側にそれぞれに原発巣ができ、両側乳房を全摘しました。
遺伝子検査を受けたところ、遺伝性陽性のBRCA2遺伝子変異の保持者となりました。
2024.3月リスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)を受けました。
2025.2月現在の治療はホルモン療法アロマターゼ阻害薬(レトロゾール)服用中
定期的なサーベイランスを受けています。

サーベイランスとは遺伝学的検査で、がんの発症リスクが高いと推定されたものに対して、きめ細かく計画的に、がんの早期発見を目的とした検査のことですが、通常のがん検診とは違い、リスクが高い臓器に対して、そのリスクに応じた検査方法がそれぞれの疾患ごとのガイドラインによって、より効果的な健康管理が継続的に行われます。

生物学的には、人は生まれた時のままのDNAは決定的で変わらない。

だけど、DNAが全ての原因でもなく、人の人生によっても変わってくる…。

大事なDNA・・・

だけどそこに疾患があって、それが1/2の確率で遺伝すると言われると、正直平常心ではいられない。
確率や医学に振り回されないで生きて行きたい・・・

なるかもしれないし・・・
ならないかもしれない・・・

私はずっと母の年齢を気にしている。
58歳で他界した母に、後3年で追いつく・・・

我が家の場合、母は肺腺がんを患いました。
乳がんでも卵巣がんでもないから、遺伝子が関係しているなんてこれっぽちも思っていませんでした。
両側にがん細胞が見つかった時は、私はいっぺんに胸を失うんだとそれだけの想いでした。
胸を失う事の悲しさよりも、私の場合、術後に判明した遺伝子検査の結果が(+)と表示された用紙を見て声が震えた。
どうしよう・・・娘が受け継いでしまってたら・・・・。

ゲノム検査を受ける前に、遺伝カウンセリングを受ける決まりがあり、そのカウンセリングで子どもに遺伝する確率を知らされた内容が頭を過ぎり、まだ確実ではない現実に打ちのめされた思いが込み上げてしまいました。

妊娠が分かった時、誰もが思う健康な子をと願い育てたものが・・・このDNAが邪魔をする。

母はこのDNAが病的変異をしないまま、関係のない部位でがん細胞を作ってしまったのだろうか?
母の親族にも前立腺がんや乳がん、卵巣がんはいない。
ただ、すい臓がんに罹患した者が2名いる。
そのDNAが関わっているのだろうか???

遺伝カウンセリングには家族の病歴の家系図を書かされます。
父方にはがんの罹患者はおらず、母方の家系図を作成するのに母には聞けず、直接聞かなければなりませんでした。
ほぼほぼ、母兄弟の生存者はいなくなり、唯一いる実姉は認知症で聞けず・・・
想い出話でもするように、いとこや義理の伯母に病歴を聞きました。
私の周りの従兄弟・従姉妹たちはがんに罹患なく過ごしています。
私が代表で罹患したのなら、正直、これで終わりにしたいと思う気持ちです。

主治医に、子どもに受け継ぐことが出来ないような治療はないのか?聞きました。
遺伝カウンセリングでも聞きました。
今の医療では無理だと。
そこから深堀するには倫理的な話に繋がり、出口のない話に繋がっていく・・・。

私が罹患したことで、兄や甥や姪にも関わってくる。

もし、私以外の親族が受け継がれていなければ、我が家の遺伝の話は終わりになる。

自身ではどうにもできないけれど、できるなら断ち切りたい。

どうにもならないのなら、何が起きようが関係なく、力まず、振り回されないように過ごしたい。

『なんとかなる!』って人生を。

生物学で決まるリスク以上の存在で生きるしかない。
私の娘には、そう魅せれる生き方で生きて行くことが、我が家の子育てなんだろうかと思う。

自分自身を見失わないように・・・。